中古の耕運機によくある故障だそうです。農機具店での故障原因一位、キャブにゴミが詰まることで農作業中に急に止まる、ブルルンブルンと言った息継ぎが起きる。
土を掘ってする場所ですから、細かいゴミもバイクや車よりも入りやすい環境で作業するので当然と言えば当然です。耕運機でのキャブレターの不具合が多くて自分でもよく調べればできることなので、できるところは自力で修理しましょう。
キャブの取り外し
取り外しは簡単にできるように2本のボルトを外すと手前にある黒いエアフィルターと一緒に外れるようになっています。赤い枠で囲ったボルトです。
横についているガソリンホースと、たぶんブリーザーホースらしき赤いホースも抜きます。ここはペンチなどを使うと楽です。手でも取れますが。
ここと反対側にスロットルを引っ張るワイヤーもついているので、写真には写ってませんが同じくペンチなどで折れないよう外します。
取れました。小さいものなので部屋の机などでも十分に間に合うので、自分の場合は机に持っていって整備をします。夜暗くなってからもできますからね。
キャブを外したら、中を掃除するためにまずドレンボルトという一番下についているボルトを外します。硬すぎたら無理に外さず耕運機に一度つけ直して、その棒で固定しながら外すと無理なく外せます。
ガソリンを抜き切ってなければそのボルトを外したらガソリンが出てきます。ここは耕運機の使用中急に止まったりして、キャブの軽い詰まりかな、と思った時にも外してみてすぐ取れるゴミであれば取れたりします。
開けた直後の状態です。固着物がたくさんこびりついていて精密なキャブレター でよくこんな状態で動いてた、と思う有様です。これを部品を外して行き、状態をチェックしながら細かなゴミを取り除いてまた組み立て直すと元気に動くようになるのです。
詰まって息継ぎをするエンジン音だったので、原因箇所は赤枠で囲ったスロージェットとメインジェットの2カ所を主にきれいにすればいいのです。他、汚れが付着してる部分も掃除しておきます。
耕運機のジェット類はバイクとはちょっと形が違っていて、横に大きいメインジェットがあり、筒の奥の方にスロージェットが入っていて、ちょっと特殊です。
メインジェットの方は+3の大きいマイナスドライバーやコインドライバーなんかで外します。筒の中のスロージェットは+1程度のマイナスドライバーです。順番は横のメインジェットを抜いてから筒の中のスロージェットです。間違うと外せない、と無理くりやって折れてしまう場合もあるので間違わないよう注意してください。
全部バラした状態。これらは細かい部品で失くしやすいので、1箇所に集めておくか、袋に入れたり、バラバラにならないよう注意して保管します。1個でもなくなれば古い機種などはパーツの取り寄せができなくなっていたり、同じ形状のを入手するのもけっこう大変です。
このフロートと呼ばれる樹脂製の部品と、それについているフロートバルブ、という部品以外はキャブクリーナーに浸けて数時間置いておきます。この部品にはゴムと樹脂が使われているので、ゴムが溶けてしまうとガソリンが止まらずダダ漏れになってしまうためです。
これはオーリングです。キャブレター の蓋を開けた時に隙間についていたものです。ゴム製で長期間付いていたので劣化していて、外す際に切れましたのでこれは新品に交換します。内径46mm x 外径49mm x 幅1mmが合いました。
分解した本体の方にはムースタイプのキャブクリーナーを吹き付けます。こちらにはゴムはついてないので穴という穴、見える隙間全体に吹き付けを数回繰り返して付着した細かなゴミを溶かします。
その後これでもかと吹き付けた後は、パーツクリーナーをまたこれでもかと吹き付けてキャブクリーナーのベトつきを吹き飛ばします。
数時間浸けておいたパーツ類も一応パーツクリーナーを吹き付けてキャブクリーナーを吹き飛ばします。
写真を撮り忘れていたんですが、ガソリンコックの直下に半透明の予備タンクのようなものがついてます。ここも重要なところでペンチなどで取り外して中に溜まったゴミを隅々まできれいに取り除いてやります。こびりついた汚れもキャブクリーナーを拭いて綿棒などで削り取ってやると、そこがエンジン不調の原因だったということはあります。
これはガソリンホース、外した時にだいぶ劣化していたので今回交換することにしました。だいぶボロボロ、耐油のガソリンホースはだいたいどこのホームセンターでも10cm単位で1mあたり100円ほどで売られているので安くて簡単に交換できるパーツです。他にもガソリンフィルターを取り付けました。耕運機はキャブが詰まりやすいので、これも1個100円程度で安く買えます。
ここまでやったら元の手順通り組み立て直します。
これで組み付けてガソリンコックを開いて、しばらく待ちます。ガソリンが溢れてこないか、何処かから漏れてないか、といった点をエンジンをかける前にチェック。自分はオーバーフローしてガソリンが溢れてエンジン内部にガソリンが溜まったことがあります。
オーバーフローをしていたらもう一度分解して、フロートバルブに汚れが付着していないか、ゴムが劣化していないかチェックをします。
それらを繰り返して快調なエンジン音になったら修理完了です。