サンポールメッキ【練習その1】 使わないネジなどで練習編

トイレ掃除用のサンポールに電気を流すと金属にメッキを貼れるのを知っているでしょうか。

鉄などの金属に金メッキだとかを貼ることで豪華に見せたり、メッキの膜を貼ることで錆の発生を予防したり、をするためにメッキを貼ります。

準備するもの

・サンポール

・水

・できれば新品の金属ではないポリプロピレンだとかの容器

・銅線、または銅のブロック

・単三電池2個(充電できるものがベスト)

・単三電池用の電池ボックス(ON OFFがついてると扱いやすいです。)

・+-色わけのあるワニ口クリップのケーブル

・できれば使い捨てのナイロン手袋

まず必要なのはサンポールです。これは種類を絶対に間違えてはいけないのでよっく見て買い揃えましょう。酸性と塩素系の2種類ありますが、これを混ぜると毒ガスが吹き出てきます。メッキや錆び取りに使うのは酸性。間違わないよう十分に注意してください。

・サンポール、これは酸性でドラッグストアやスーパーなどでお手軽に200円ほどで手に入ります。

・ナイス、これも酸性でダイソーで売ってるよくDIY系で使われてる格安トイレ洗浄液で、錆び取りなどで使ってる人が多いです。

・トイレクリーナー、これは塩素系、といって塩酸を使ってないトイレ洗浄液で、トイレを洗うのには優しいものですが、錆び取りやメッキをかけるためには使用できないタイプです。それと、「混ぜるな危険」と大きく書かれているように塩素系と酸性を混ぜると1発でノックアウト天国行きの強力な毒性の気体を発生させてその場にいるだけでぶっ倒れてあの世のお迎えがやってきますので、絶対に混ざらないよう、よく品物を見て買う、そして同じ場所に両方を置かず、片方は速やかに捨てる。液が1滴でも混ざらないよう、一度塩素系を入れた容器は新品に取り替える、など神経質なほど注意して扱うようにした方がいいです。

・他に塩や重曹でもいいらしいのですが、そのうち実験してみます。

メッキに使うサンポール、ナイス、トイレクリーナーの比較

・入れる容器。これは金属の容器ではそっちにも影響が出るので、ダイソーので十分なので、タッパーだとかのプラスチックな容器を使ってやると、使い捨てもしやすく便利だと思います。

・銅線。これもダイソーなどの100円ショップにありました。工具コーナーにアルミやステンレスや鉄のワイヤーと一緒に銅のワイヤーが売ってます。練習で使うならこれで十分、手慣れてきてもっと大きいものが必要になったらコメリなどのホームセンターに行くと3000円くらいしますが太くて30mだとかの銅線が売っているので、必要になったらそちら。

メッキの下地にダイソーの銅ワイヤー

・単三電池。はやはり何度もメッキをかけるなら充電池のエネループのようなのがあると、買い替えしなくてもいいので無駄なゴミが出にくくなります。充電器も一緒に買わないといけないので1、2回やりたいだけ、なら使い捨ての電池でいいと思います。単三電池2本でけっこう10回くらいはメッキをかけられました。小電力しか使わないようです。

単三電池ボックスはこういうのを買いました。あんまり店舗では最近こういった電池ボックスのような安いのにあんまり工作をする人がいなくなってお店には並ばなくなったので、Amazonで買うのが手っ取り早い感じでした。単三電池は2本のも4本、8本繋ぎのも売っていて、いろいろと試してみたい人は複数個買ってみるのもアリかと思います。

電気メッキに使う乾電池ケース、単三電池2本用

・+-色わけのあるワニ口クリップ。毎回剥き出しの配線を直接繋いでたら配線の痛みも早くめんどくさいので、ワニ口クリップがあるとすごくこの作業には便利です。色分けがあるやつが+-の配線を間違いにくくするので扱いやすいです。

電気メッキに扱いやすいわに口クリップケーブル

・使い捨てのナイロン手袋。メッキ作業に限らず油汚れしやすい整備や掃除などでも使うと手が汚れず、一回づつ油汚れを取るために手を洗わずに済みます。うちで買ったのは100枚1370円のですが、探すと700円くらいのも売ってます。できるだけピチッと手にはめれれば素手と同じ感覚で作業できて便利なのでちょっとお高めのにしました。一回数時間汚れる作業をして手が真っ黒になって、綺麗に洗い落とすのに時間かかるし、普通の洗剤では爪の隙間の黒ずみまで取れない場合も多いじゃないですか。そういった手間に一枚13円でいい、ってなればちょっと金出してもいいかなって思ってました。

手を汚さないで済む使い捨てビニール手袋

とまあ、ここまでが準備する物の細かな説明をしました。揃えるものはサンポールの種類以外は自分の好みで変えてもいいんですが、サンポールとナイスが酸性、トイレクリーナーは塩素、これだけは間違えてはいけません。混ざったりするとあの世行きなのでここだけは絶対に忘れたりいい加減に買い揃えたりしてはダメです。

メッキする手順

2022年7月2日追記

廃液にふわふわしたものが溜まってきたら交換、は間違いでした。実はこのふわふわしたものは銅が溶け込んだもので、これが出てきたらむしろメッキがかかりやすくなるようです。

試してたところ、電気も流さずにそのまま素材を入れておくだけ、が最も綺麗なメッキがかかりました。(なんで電気も流さずにメッキがかかるのかは、たぶん最初に乾電池で電気を流してた分が蓄電されているからかもしれません。鉛バッテリーなんか鉛に硫酸を入れると電気が蓄電できるやつと同じです。)それで1時間おきぐらいに様子をチェックして、真鍮ブラシで磨いて状態を見ながらやったり、一晩浸けておくだけ、などいろいろ試してみてました。

正直90分3Vの乾電池ではうっすらとメッキがかかるだけで、満足の仕上がりにはならなかったので、2回3回とやって厚いメッキがかかるようにした方が良さそうでした。

ただ長く浸ければ良いわけではなくて、数日間など長すぎれば素材がサンポールの酸で溶け出して細くなったりもするので、自身で何度か練習してこうしたら綺麗にメッキがかかった、というのを探っていくのが良さそうです。

メッキ練習用の錆びたネジ
下地として銅メッキを1回かけたネジ、うっすらと銅の色がついてます

うまくメッキがかかった写真。右のが電気を流さず一晩置いただけ、一番鮮やかに銅メッキがかかっています。写真だとちょっと色合いがはっきりわからないんですが、肉眼だと綺麗に仕上がっています。

ちなみに真ん中二つは電気を流してメッキしたもので、少し黒っぽい。左も電気を流したものですがマダラになっています。

こうなったら廃液を捨てて新しいのに交換

何度か銅メッキをかけた廃液、これがあったほうがメッキはかかりやすい

同じ液で何度も銅メッキをかけているとだんだんこんな赤いふわふわしたものが出てきます。これができた状態で電流を流すとメッキしたい金属にこのふわふわしたものが藻のようにくっついてメッキがならなくなってしまうので、こうなったら廃液をトイレにでも流して新しいサンポールと水に入れ替えします。

このふわふわしたのをろ過してやればまた使えるかな、と試したのですがやっぱり一度出ると取り除いても液に銅のふわふわが染み込んでるのか、もう使えない廃液になってたので、新しい液にするしかないようでした。

サンポールも安いんで、使い回しせずに新しいのに取り替えるのが簡単です。

練習してできた作品

これは自分の作ってきた忘備録にするためもあります。だから失敗作などもたくさん載る予定です。

銅メッキをかけた練習素材。崩れた箇所もあるが綺麗に銅メッキがかかってます

余った鉄のパーツを瓶に貯めてたので練習した1回目。

右側のはまあまあ綺麗に銅メッキができてました。ぼろぼろと磨いてる時に崩れてきたのは長時間酸性の液につけすぎたせいかもしれないです。1回目なので加減わからず。

左側のはステンレスの六角棒です。イマイチメッキのノリが悪いと感じました。表面の凸凹などもあると、そのままざらついたメッキの仕上がりになるのもあるかなと思いました。

ステンレスだと銅メッキがうまく乗らない?

別の角度から、銅の色はついてますが、表面をもっと平に研磨してやらないとこのようにメッキが乗った時に粗がはっきりと出てしまいます。塗装なんかも下地を綺麗に仕上げることが最も大事と言います。

鉄がベースだと銅メッキも綺麗にかかりました

初回なのでノーコメントで

バイクの泥除けを留める金具に銅メッキ、これが一番綺麗に仕上がりました

こちらはバイクのフロントフェンダーの雨よけについてた金属カバーです。裏側についてるので、かなり大失敗しても取り付ければ目に見えない部分なので練習用に使いました。次は下地もけっこう頑張って磨いて、できるだけのことをしてみました。

どうしても錆が深くて綺麗にならない場所もあって、そこはもう仕方がないです。写真のは1回目メッキを入れてから、様子をみてもう一度研磨をして、再度メッキを掛け直した状態です。2回かけるとけっこう綺麗な厚みのあるメッキに見えます。3回くらいかけたら厚そうないい仕上がりになるんでは、と予想してます。

だいたい1回目だとまだらだったり、イマイチ薄いので、少なくとも2回、3回はかけておかないとダメだろう、と思いました。

細部を見ると劣化した部分が崩れています

横から、銅メッキを2回、1回4時間くらいかけてから磨いて、満足のいく仕上がりではなかったから後日2回目をかけてこの結果。凸凹があるので変に黒っぽい部分があるのは下地のせいなので、ほかちゃんとメッキがかかっているところに注目すると綺麗に銅メッキがかかっています。

錆で腐食が激しい部分は綺麗に銅メッキがかかり切りません

表側も、綺麗にメッキがかかっている部分は綺麗、凸凹してたり錆が取れ切れてない部分は黒くなってたりします。なのでメッキをかける作業自体はうまくいってるといっていいと思います。

メッキをする町工場のYouTube動画などをみると、綺麗な下地にかなり時間をかけていて、ものすごく平にしてからメッキをかけていたので、やはりそれなりに下地には気をつけないといけない、ということです。

CM125のスポークを銅メッキかけたところ、これも錆びたところは崩れています。

こちらはメインの、メッキを覚えようと思い立ったパーツ。今は新品が供給されてないCM125のスポークが錆びていたので、研磨して綺麗にしたのに雨と雪に当たったら剥き出しの鉄だったために錆が再発してしまい、これはなんとかせねば、と、クリアー塗装をするか、メッキを覚えてメッキをかけるかの二択で、とりあえずメッキを練習してみよう、と手を出したきっかけのスポークです。

数回練習してからのメッキがけなので凸凹があってやはり仕上がりは美しいとはならないのですが銅メッキはしっかりかかっています。

CM125のスポークを銅メッキ。仕上がりが綺麗な部分もあります。

違う角度から。一応メッキはかかっていますね。

これもう1本でも試してて、12Vのバイク用のバッテリーを使ってそのまま睡眠を8時間してから上げたら電力が強すぎたせいか、鉄が溶けてものすごく細くなってました。練習とはいえ、やりすぎた感がありました。通常1.5Vか3Vくらいでジワジワとやっていくのが初心者にはいいようでした。加減のわかる熟練者なら100Vのコンセントから電流を流してすぐ完成、になるかもしれませんけど、まずは初心者は何時間も見守って微電流で始めるのが気楽です。

キャンプ用クッカーを銅メッキ、素材が大きいので12Vバッテリーでメッキ掛けをしました

こちらは、使わなくなったクッカーの蓋で練習。このくらい大きいのになると単三電池2本の3Vでは反応が薄すぎて1日中かけてても変化が見られなかったので、バイク用バッテリー12Vに繋いでメッキしました。大きい物の場合に合わせて電流も大きくしないとうまくいかないみたいでした。

これには下地にこだわってみて、事前に1500番のペーパーと2000番で鏡面に磨いてから洗剤で洗って油脂を落としてメッキをかけたので、それなりに仕上がりも美しくできました。ただ、1回目なので銅メッキの色は薄い感じで、やはり2回、3回とかけてやっと綺麗にメッキがかかった状態にまで持っていけるものだと思いました。

手間暇かかるものです。

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