春になってバイクに乗り出してみたら、走行中になんと、パイロットスクリューが落下するという割とありえないことが起きてしまい、無くなった部品を買い、ついでにキャブレター のメンテナンスも行いました。
CM125のキャブレター のパイロットスクリューは真下を向いていてネジで緩めて調整するので実際ものすごい振動とネジの緩みすぎが合わさればそのまま緩んで外れる、と言ったことも考えられなくはないのですが、その点はさすがに問題ないだろう、と思ってけっこう規定値の1回転半より開けて4、5回転ほど開けていたはず。多少無知だったので開ければ開けるほど安定すると思い込んでいたところがありました。
そうしたら走行中カランカランといった音と共に山道で外れたらしい、今更探しに戻っても範囲が広すぎて見つけられそうもない。
パイロットスクリューがなくなると、空気がたくさんエンジン内に送られてしまうので燃料が薄くなってしまいます。結果としてはアクセルを回してる状態では平気でなかなか気がつかない、でも薄いからチョークを引くと調子が良くなる、アイドリング状態になると薄すぎて止まる、といった症状が出ます。出ました。
走行中信号待ちになった途端や、スピードを下げようとアクセルを0に戻した時にエンジン停止、になって、あれ、おかしい、と気がつきます。
帰宅までアイドリングはしないよう、回転数を上げたまま走ればとりあえず走る状態なのでそのまま帰宅までできたのが今回のパイロットスクリューが外れた状態の症状でした。
部品調達
CM125という1979年発売のおよそ41年前の古いバイクです。なのでパーツも既に生産終了で、メーカーに在庫がある分だけ、なのであまり期待できず、というかバイク屋に行くのが気がすすまず、ネットで手に入りそうなのを探しました。
見つけたのは、車体から取り外して保管してたらしい中古のキャブレター CD125T用。
キースター CD125T用 燃調キット
の二つがなんとか見つかりました。どっちがいいかな〜と試行錯誤して、中古のキャブレター は5800円で着払い、たぶん総額7000円ちょっと、キースター燃調キットは送料込み4400円。でもキャブレター はついてこない。で悩みましたが、無くしたパイロットスクリューの入手が目的なのでキースター燃調キットにしました。
こっちの燃調キットというのは文字通りキャブの細かなジェットの番数を変えられるところがメリットでもありました。最近アイドリングもイマイチで、CM125系ブログを検索してみていたらアイドリングの不調は古いバイクの最初の兆候、とあって、古くなってきたらキャブレター のスロージェットの番数を一つ上げて、アイドリング時の燃料が多めに行くようにセッティングを変えてやる必要があるんだそう。
とりあえず結果として無くしたパイロットスクリューも新品に付け替え、スロージェットも番手を1つ上げ、複数回の微調整を経て快調に乗れるようになりました。
入ってた内容はこのように、きれいな箱にきれいな状態で入っていて満足度高め。
個人ユーザー向けでお値段高めな分箱もきれいな高級感を出したんでしょう。メーカー発注だとたぶん数百円で揃う代わりにビニール袋にバーコード貼っただけの簡素な状態で来るはずです。
説明書付き、CD125T用、とありますがCM125はタンクとハンドルを変えただけのCD125Tなので同じ部品が使えます。CD125KやCD125Sとあるものは合わないので注意しましょう。Windows95とWindows2000くらい違います。
よく劣化しやすいフロートバルブも入っています。というかキャブレター についているネジ類は全て揃っています。フロートはついてきてませんね。ガスケットもついてる。
で、この黒丸をつけたところがパイロットスクリュー、ここが車体についてる時は真下を向いていて、外れてしまった時はかなりゆるゆるにしてあったんですね。回転数にして5回転以上は緩めていたと思いました。その時は1回転半が基準を知らず、合う位置に合わせることに集中していたのでバランスなんて全く考慮しなかったせいです。5回転より開けたらアクセルもいい具合についてきていたせいでこれでいいものだと思っていたのです。
こちらは純正でついていたスロージェットです。40πがついていました。これを1つ番手上げた42πにします。古いキャブのバイクはアイドリングが調整しても合わなくなってきたなってタイミングで一つ濃いものに変更してやるとまた元気に走るのだそう。
古くなるとキャブの錆などで軽くガソリンを通す穴が狭くなるのでしょう。なのでそれに合わせてガソリンを少し多めに流すようにすると快調になるってわけです。
これが付け替えるスロージェット42π。燃調キットには39、40、42の3サイズ入っていたのでバイクの調子をみながら変更です。
濃すぎてマフラーから黒煙が出るとかなら39に下げる感じです。
取り付けた様子。新品は輝きが違いますね。パッと見新品の輝きがわかります。今回は無くしたパイロットスクリューと、アイドリングがイマイチだったからついでにスロージェットを交換。左側のメインジェットは問題なかったので掃除してそのまま使用します。
あとは組み付けて走行して快適かどうかのチェックです。
番外編、というかこちらニードル側もチェックをしました。破れやすいダイヤフラムのチェック。ニードルも取り付けた後に少し濃い目に変更してやる方がいいことがわかりましたが、+0のネジが3本入っていて固着してる上に外すにも力の入るドライバーがなくてその場は断念になりました。
その後+0で力の入りやすそうなVESSELの+0ドライバー1本と、ノーブランド+0の貫通ドライバーを一本買いました。たぶんもう一度開けた時に今度はうまく開けられるでしょう。
毎回固着してる3本のネジ様です。小さいと合うのが精密ドライバー+0なので、固着してしまうと力が入らず開けられないんですよねー。でも開けないとニードルの調整もできず、また破れやすいダイヤフラムのみの交換もできず丸々交換になってしまうのでなんとか開けたいところです。
こんな具合に入ってます。
組み付け完了。外見は黒ずんだ古さを感じさせるキャブレター ですね。
まとめ
CD125T用の燃調キットが新品で手に入る。
ニードル側のネジを外すのに+0の貫通ドライバーがあると頼もしい。
2021年11月16日追記
燃調キットは箱も良くてほんのわずかなサイズ変更なら割と買ってもいいものと思いますが、アマゾンなんかで中国製らしきスロージェットが番手も豊富で問題なく使えるものが数百円であります。なので初めて買うなら燃調キットもありと思いますが慣れてきたら数百円の中国製の方が番手が豊富で扱いやすいです。
中国製、と聞くと不安も覚えるかもしれませんが、世界の工場と言われるだけあってこういった金属部品なんかはけっこうまともに使えるものがあります。
スロージェットがまともな背景には、アジアでは古いバイクなんかを日本あたりから輸入して現地のバイク屋さんなんかが修理して乗っているので、修理パーツに関しては手慣れており精度の良いものを作れるようになっているのだと思います。