数ヶ月前からバッテリーが弱いのかセルモーターがおかしいのか、キャブがおかしいのか、で原因がはっきりしなかったのを手をつけ出しました。
キャブも調整してバッテリーも新品。それでもセルモーターがなんか元気なくギュルギュルギュル・・と回るのでやっとセルが原因でかからないんだ、とわかりました。なのでセルモーターの分解整備を。
1回目から使用中のから取り外してしまうと、難易度が高かったりして数ヶ月乗れないとなると困るので以前練習用に買っておいた予備のCD125エンジンを使ってセルモーターの修理よこう練習です。
他の人のブログを読むとセルモーターは車種問わず構造はほとんど同じで、簡単と出てました。んでとりあえずエンジンからセルモーターを下ろしてみました。8mmのメガネレンチで4本のボルトでとまっていただけです。4本とも長さが違ったのでどこに刺してあったボルトかメモしておくと組み立て時に迷わなくてすみそうでした。
まず最初に外側をパーツクリーナーでオイル汚れが触ってもいい程度になるまで落とします。きれいな方がやりやすいですからね。
使った工具、インパクトドライバー+2、貫通ドライバー+2。
どちらも固着してそうなネジ対応。
両脇の長いボルトを2本抜くと、固定が外れて両側が取れる状態になります。
真ん中の筒にアーマチュアと呼ばれるモーター本体が入ってます。その先っぽにコイルがあり、今回はその部分を掃除します。写真に写ってる黒いやつですね。ブラシとコイルが長年の使用で鉄粉などを含んだ真っ黒なカーボンで接触が悪くなっていてセルモーターにうまく電気が流れない、といった原因になったようです。
ケースが黒ずんでたのでとりあえずパーツクリーナーできれいにしました。こっちは別にやらなくてもよかったんですがきれいな方が気持ちいいわけです。
こちらはギア側です。セルを回すと回転してエンジンスタートのきっかけを作るわけです。イメージは昔の車や戦闘機なんかの映像で手でクルクル回してエンジンをかけてたのが、今でもやり方は同じ、手で回すのをモーターで回すようにしただけです。
ギアが3個もついてるのはギア比を変えてゆっくりと力強く回せるような工夫ですね。スタートの時は重たいのです。
セルモーターの外側、一応構造を知っとくという意味で、ピストンリング 外しのプライヤーで外せるタイプのピンが入ってました。ギア側はこのピンを外すと完全分解できそうですが、今回はやりませんでした。こっちは壊れてないので。
モーターブラシ側。こちらがメインです。ここが写真のように黒ずんでると、電気がうまく流れずモーターも元気よく回らない、といった感じになるわけです。なのでここをペーパーなどで磨いて銅を剥き出しにしてあげる作業になります。
拡大。銅がだいぶ黒ずんでます。これでは電気が伝わりにくい。
ここがメインなのでいろんな角度から
この丸をつけたところがブラシ、この2点が真ん中の銅の円に軽く当たっていて、セルスターターを押すと電気が流れて銅の円が回転するモーターなのです。
ここがメインなのでまた別の角度からも、ブラシが当たっててバネの力で軽く銅の円に当たっている状態。みた感じ鉄製、当たっているので当然長期間摩擦があるわけなので摩耗して行くのですがここは今回問題なさそうでした。摩耗してうまく当たってない時はこのブラシを交換です。
真横から撮ったアチュエーター。目の前にあるクルクルしているのはバネです。これでブラシを押してます。ここも単体で交換可能なのですがよほど理由がなければブラシの乗っている円状の部品ごと交換でOK、買っても千円ちょっとです。セルモーターも中古の動作品でも5000円以下で売られてます。
セルモーターのブラシを外したところです。ここは+1の小さいネジ一本でとまっているので取り外しも簡単、でも小さいので無くさないよう部品の管理はちゃんとしましょう
この円状の部品はネット通販で一個人でも新品が買えるみたい。形状が微妙に違うので合うのかはわからないですが、千円ちょっとの出費で済むので試してみる価値はありそうです。
で、この外したブラシもパーツクリーナーで洗浄。
これはブラシを外した後の真ん中の筒内部、アチュエーターです。こちら内部も真っ黒、なのできれいにしたろうと思ったのですが分離するためのネジがものすごく固まってて断念しましたね。やらなくていい場所なので開かないなら無理に開けない、ねじ穴を壊してしまえばあとでまた技術が向上して分解しようとしたときに困りそうなので。
磨き。ペーパーで磨いて銅を剥き出しに戻します。研磨していくと銅らしい輝きが戻ってきます。とりあえず比較できるよう半分磨いたところと、何もしてないところ。
ペーパーの番数は手元にあった中で一番粗目だった400番を使いました。別に800番でも何番でも研磨できればいいのですが、1500番以上を選ぶとものすごい時間がかかるし艶々の鏡面になってしまうかも。研磨するだけなら240番くらいが無難じゃないでしょうか。
ブラシ側もチェックして黒ければペーパーで研磨しておくとベスト。
取り外したブラシも取れる分だけパーツクリーナーで洗浄。油とカーボンは電気を通さないのでなるべく取り除きます。
組み付けて手で回して様子をみているところ。回してみるとまだ多少黒いのが残っていたのか銅のところが黒くなりました。でもだいぶきれいになったので良し。動かなければまた分解掃除するだけです。
反対側のギヤ部分もパーツクリーナーできれいにした後、グリスを塗り直して組み付け準備完了。
組み直しました。ここでちょっと忘れてはいけない箇所があります。ちゃんとネジが止まる位置が決まっているので、組み付ける向きに注意ですね。元ついていた状態を写真に収めておいてどの位置でどの向きだったか、ぴったり合わせないと、写真の前面に写っているケーブルの位置が違ってたり、両側の向きが間違ってたりするとネジの長さが合わなくてエンジンにつけられない、ケーブルの長さが足りなくてバッテリーと接続できない、なんて不具合が起きてしまいます。分解前の写真撮っておくの重要です。
と、ここまででセルモーターの修理完了です。これは予備でいつも自室に置いてあるエンジンのセルモーターを掃除したやつですが実車の方も同じ手順です。
こちらは元気のない稼働中のバイクのセルモーターを掃除した時の写真です。手順はうえのと同じ。でもわざわざ取り外さず、ブラシ側のケースを外して銅を研磨して修理完了でした。整備性の良さがビジバイ、ホンダのバイクの良さであります。
結果として、セルモーターは元気になり、音も静かにギャッギャッギャギャと大音量だったのがキュキュキュキュシュイーン、となり軽快に始動するようになりました。
これをバイク屋などに出すと場所によるでしょうが2万円〜5万円が整備工賃なのだそう。このバイクは簡単なのでそんなに取られないでしょうが、車なんかだと手が入りにくい場所にセルモーターがあったりして、そういったことでそのくらいの工賃なのでしょう。
自分でやれば、今回は工具とペーパー代を除けば0円で修理できました。入れても千円いってないです。ここがDIYの良いところです。