結論、メタルロックで金属の代わりを整形してから瞬間接着剤で再度つけると低負荷のバイクカバーのロックくらいならうまくくっつくようです。
メタルロック単体だと接着が弱かった。
バイクタンクカバーの鍵穴が劣化して蓋が閉まらなくなったので直せるようになるまで車体から外して部屋に保管してました。
こういうやつ
塗装もしてたぶん劣化して欠けただけだからすぐに直せるんでは、と思ってたんですが、意外と何を試してもうまいこと行きませんでした。
溶接機で盛ってみようとしたり
普通のはんだを溶かして盛ってみようとしたり
金属用の少し高価なはんだを試してみたり
しました。溶接機で盛ろうとしたときは出力が100Vでも大きくて鍵が溶けただけで、これはいくら出力を抑えてもこれじゃあ無理だ。もっと低出力のタイプがないと、と思ってそのためにわざわざ機械を買うのもなんだかなあ、と保留にしました。
普通のハンダは、普通に問題外でした。固まる前につるんと落ちるか、うまく載っても冷えてからちょっと力を入れるだけで外れたり、ものは試しだったので無駄を味わいました。
次こそは、とネットでよく調べて、金属用のハンダというのがあって、それを使った人のブログでは、物干し竿のような重たいものでもしっかりくっついている様子が写っていて、これも試してみました。
フラックス付きでちょっと本格的なやつです。
融解温度が高めなので、バーナーで溶かすのだそうです。事前のイメージはワイヤーを伸ばしてバーナーで炙りながらくっつける、のようです。
で、これも試したんですが、普通のはんだの時と同じく、溶けたらつるんと流れていきました。しかしなんとかくっつけてやろうとコンクリの上でやって、溶けたところをコンクリに一度落としてから鍵を押し付けてくっつける、というやり方でなんとか形はくっついたのですが、これもちょっと力を入れたらポロッと。形状がよくないのか、ほぼ平面で食いつける場所がないからなのか、とりあえずこの鍵では使えませんでした。
最後の頼みの綱、セメダインメタルロック AY-123 25g。
金属パテはまだ試してなかったんですが、Yahoo!知恵袋でこういう場所に使ういいものないの?と聞いたらセメダインメタルロックAY-123が良い、と回答が返ってきて、さすがにその手のプロが入ってるところは適切な答えがくるねえ、と思いながらAmazonでポチりました。
これは1液と2液を混ぜると硬化する、エポキシ樹脂と同じ使用方法のタイプです。
使い方は簡単で説明書を読むと、混合したら5分以内に塗り込んで固まったら3時間はそのままにしておくと良さそうです。よほど業務で急ぎでないDIYだと3時間置いておくだけ、に特に負担にもならないでしょう。
気になる耐熱温度は、書かれてません。でも接着剤ですからね。耐熱温度はたぶん100度もないと思います。高熱になる部分に接着剤でくっつけようとするのもなんだかなとは思います。そういうところには溶接でしょう。
すぐに塗ってください、と書いてありますがエポキシ樹脂と同様にすぐに、ではなく少し1分程度時間を置いてからやり始めると少し粘度が上がってきて塗りやすくなるようです。
混ぜると色は黒でした。
塗り方は、これは余ってたネジの頭にメタルロックを塗っています。引っ掛かりのない鉄の部分にうまくくっついて、十分な強度があるかどうかをテストしてから本番に行くのです。
早く塗りすぎると垂れてきたり形が崩れやすかったりして、やりにくさがあるので、自分なりにやりやすい粘度で塗ります。
10分ほどしてあとは固まり待ち。うまいこと強度のあることを期待してみます。
大体3時間が経過して完全硬化した様子です。いい具合です。
ちょっと爪で思いっきり引っ掻いてもほとんど傷をつけることもできませんでした。硬さはプラスチックか、洋室の床の木くらいはありそうです。
さらに強度テストでハサミで思い切り切ってみたのが上の写真。思い切りやってこれしか傷をつけられませんでした。
さらにリューターの紙やすり80番で削ってみると、ちょっとづつではありますが削れます。この強度はプラスチック並みにはありそうで、形が崩れて固まっても削って整えることができそうです。
これなら鍵の部分にうまいことくっついてくれそう、とわかりましたから本番に行けます。長いこと合いそうな道具が見つからなくて放置期間が長かったです。
本番
固まることがわかったので早速やりました。固まった形はイマイチですが、ここから削って良さげな形状までもっていきます。なにか上手いこと筒状に囲って入れられたら削る手間も削減できそうと感じました。
初回ダイヤモンドビットで削りながら様子をみてたんですが、鍵穴を回しても一緒に固定されたままで、もうちょっと削って、とかやっているうちにパキッととれてしまったので、もう一度やり直しました。
2回目はマスキングテープで稼働箇所を覆うことで余計なところまでメタルロックが染み込まないようにしてみました。5枚の厚さでマスキングしてます。そうするとマスキングを剥がして浮いた箇所を目安に削るとピッタリ合いそう。
マスキング後のメタルロック AY-123 25g。
形はイマイチですがある程度使えそうな形に固まったのでマスキングを剥がしてリューターで削って整形していきます。
マスキングを取り除いたところ。
5枚の厚みでマスキングしたので剥がすとこんな具合に隙間ができて、その隙間を目安に削っていくと簡単かなって思いましたが、だいたい正解でした。
だいたい整形を終えたところです。
形はきちっとはしてないですが、要はうまく引っかかればそれでOKなので、引っかかる程度の出っ張りを確保できてればいいんです。
鍵を回すと引っ掛からずにちゃんと引っ込みます。
気になったのはくっついてる強度ですが、1回目の失敗で、鍵穴が回らなくてけっこう強めに回したらあっけなくパキッととれたので、たぶん使ってるうちにとれます。
でも平たい面にこれだけくっついてるのだから合格点だと思います。
とれたらアロンアルファなどのもっと強度のある接着剤でくっ付ければ長く使えるんじゃないかなあ、と思いました。
他、このタンクカバーの鍵はどの鍵でも回るようになってるので、メタルロックで元の形状に戻そうとしなくても、強力な磁石でただくっつけているだけでも良いかなと感じました。ただ旧車なので元の形を維持したほうがいいかもしれません。